マニアックなイギリスのフィクション

私が一時期とてもはまっていたイギリスのフィクションのシリーズに、サーズデイネクストというのがあります。ペーパーバックで全シリーズ揃えてました。
一番オススメはやっぱりシリーズの一番最初のやつで、The Eyre Affair。Eyreはジェーン・エアのエアです。そう、ジェーン・エアがらみのお話し。

これはイギリスのイングランドが舞台なんですけど、私たちが今体験してるイギリスとはちょっと違う、パラレルワールド的な感じ。その設定がマニアックでイギリスが好きな人にはたまらないマニアックな小説。日本では文学刑事サーズデイネクストで検索すると見つかります。作者はジャスパー・フォードという人。

この本は、イギリス文学マニアにもオススメ。いっぱいイギリスのフィクションも出てくる。
この本の世界では、オリジナルのマニュスクリプトが保管されたライブラリーみたいなのがあって、キャラクターはそれぞれのストーリーの中で生きてるんですね。生きてるというか存在してる。

世界のどこかで誰かが読み始めると、その間、そのストーリーを「プレー」しなくてはならない、そんな感じなんです。だから不慮の事故で亡くなるキャラクターも、もう何回もそのシーンを演じてて、本のストーリーという枠外では、ピンピンしているわけなんです。他にも、ストーリーの中では、仲睦まじいカップルも、実はストーリーの枠外では悪役だった人とカップルだったりする…。
という様に、誰も読んでない時は、ストーリーとして本の中に描かれている枠外でいろいろやってるわけです。

不思議でしょう?興味がある方はぜひ読んでみてくださいね。

でね、セッションをさせていただいた時にこの本のことを思い出したんですよ。

私にもずーっとあった、「自分の人生だけど自分の人生じゃない」感じ、「自分の人生なんだけど生きてない」感じについて話していた時です。

そんな時って、いつもマージン(余白)にいるような気がしてる。
だから、円卓に家族や友人、同僚、仲間と座っていても、自分はそこに加わっていない感じがある。
それを、「私は話にのれない」だとか「つまらない」とか、「どこにも属せない」ように感じてるんですね。

実はそんな時って、自分が自分の存在(人生)の読み手(読者)になってる時なんですよ!

円卓に座ってるそれぞれの面々は、小説(ストーリー)の中の登場人物なんですよ。
夏目漱石の坊ちゃんに出てくる、うらなりだって、赤シャツだって、「坊ちゃんワールド」だって自覚していないじゃないですか?それを知ってるのは読み手なんですよね。
で、あなただけが読み手になっているんです。
だから、自分とみんなのいる世界との間に、大きな河(隔たり)があるわけです。
それは小説の登場人物と読み手の間に広がる隔たりと同じぐらい、大きくて深い溝です。

ストーリーの中の登場人物には、主役と脇役がありますよね?
でも登場人物には、そんなことどうでも良いのです。
例えば、ハリー・ポッターの中で、それぞれハリー・ポッターが主役で、ビル・ウィーズリーは脇役だ〜なんていちいち思ってもいないのですよ。
これはよく映画のシリーズで、脇役にフォーカスをあてて別作品をまるごと作りあげるのと似てて、読み手がどこからどこにスポットライトを当てるかという話なんですよね。ある意味、全員主役であり脇役である、そんな感じ。

確かなのは、自分が自分の読み手になってる時、私たちは100%生きてないということ。

読み手から本の中の登場人物そのものになる、そんな話をしてセッションを終えました。

(これが表紙。この動物何かわかりますか?これも出てきます。笑)

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